ブログ
練習環境を整える③〜調律のはなし〜
「練習環境を整える」シリーズ3回目は、調律についてです。
ピアノは、一度購入したら完成、というものではありません。木や金属、フェルトなど、たくさんの素材でできている楽器なので、使っているうちに少しずつ音が変化していきます。
よく「ピアノは生きている」と言われますが、本当にその通りだなと感じます。だからこそ、購入後のメンテナンスがとても大切になってきます。
目安としては、最低でも1年に1回の調律をおすすめしています。
①でお話しした湿度管理も、実は調律と深く関わっています。湿度の変化で木材や金属が伸び縮みすると、それだけ音のズレも起きやすくなるので、湿度管理と調律はセットで考えていただけたらと思います。
練習環境を整える①〜湿度の話〜 - Welcome to my Piano Room !
ちなみに私自身は、音の狂いが気になってきたときや、コンサート本番前、生徒さんの演奏を録画する機会があるときなど、年に2回くらいのペースで調律をお願いしています。頻度は絶対的な決まりというより、ピアノの使い方やご家庭のペースに合わせて考えていただければと思います。
整音・整調をしてもらった後は、弾き心地がはっきり変わります。
というのも、演奏というのは、耳で聴いた音を体や指でコントロールしていく作業だからです。
音や鍵盤の状態が整っていると、その感覚がつかみやすくなります。逆に、音がずれたり鍵盤の状態が整っていないままで弾き続けていると、無駄に力が入ってしまったり、変なクセがついてしまったりすることにもなりかねません。
調律のときは、調律師さんにピアノの状態やお手入れの方向性について色々教えてもらえるいい機会でもあります。
鍵盤の重さの調整(整調)や音色づくり(整音)のことなど、専門的な話も聞けるので、気になることがあれば遠慮なく質問してみるのがおすすめです。私自身も調律のたびに新しい発見があり、毎回勉強させてもらっています。
自宅ピアノの調律をお願いした時の興味深い話を、ブログに書いていますので、よかったらこちらも読んでみてください。
👇
🎹 ピアノの「声」を整える、大切な時間 🎹 - Welcome to my Piano Room !
もちろん、ご家庭の事情でなかなか調律の頻度を確保するのが難しい場合もあると思います。そのあたりは無理のない範囲で、まずは「1年に1回」を目安に考えていただければと思います。
次回④は、鍵盤のお手入れについて書いていく予定です。
練習環境を整える②〜椅子と足台〜
「練習環境を整える」シリーズ2回目は、椅子と足台のお話です。
ピアノを弾くとき、実は椅子の高さはとても大事です。
姿勢が崩れると、いい音を出しにくくなるだけでなく、手首や肩に余計な力が入ってしまうこともあります。
●椅子の高さ合わせ方
目安としては、鍵盤に手を乗せたときに、手首から肘までがだいたい水平になる高さです。これより椅子が低すぎても高すぎても、弾きにくさにつながりやすくなります。
●足台について
そしてもうひとつ大事なのが足台です。椅子に座ったときに足が床に届かないお子さんの場合は、必ず足台を置いてください。
足がぶらぶらした状態だと体が安定せず、無意識に力んでしまったり、姿勢が崩れやすくなったりします。
オンラインレッスンや動画で自宅での様子を送っていただくことがあるのですが、そのときに気づくことも多いです。実は、椅子や足台が身長に合っていないケースが意外と多いんです。
教室ではレッスンのたびに高さを調整しているので、生徒さんの成長に合わせて椅子や足台の位置が少しずつ変わっていくのですが、その変化に気づくたびに「大きくなったなあ」と、なんだか嬉しい気持ちになります。
●足が届く場合に気をつけること
床に足が届くお子さんの場合も、油断は禁物です。足の裏がしっかり床について安定しているか、腕が下がりすぎていないか、鍵盤と体の距離が近すぎたり遠すぎたりしていないか、時々チェックしてみてください。
身長が伸びる時期はあっという間に椅子の高さが合わなくなることもあるので、定期的な見直しをおすすめします。
●座り方、足の置き方
足が床につくお子さんの場合は、椅子の高さだけでなく座る位置でも微調整します。深く座って背筋が床と垂直に立つのではなく、少し浅めに座って、上体をやや鍵盤側に近づけるようなイメージです。
高学年になると使う音域も広がってくるので、しっかり重心移動ができるように、足もただ置くのではなく前後にずらして、いわば「ヨーイドン」のような構えにします。右足でペダルを使う場面では、左足でしっかり踏ん張ってバランスを取る役割も出てきます。
●よい姿勢
椅子や足台だけでなく、座ったときにお腹が凹んで背中が丸まってしまっているケースもよく見かけます。
実はコツはシンプルで、椅子に当たるお尻の2点でしっかり重心を取り、お腹と背中をまっすぐにするだけで、いい姿勢になります。
ただ、このとき足台に足が乗っていないと体の安定感が欠けてしまい、せっかくいい姿勢を意識してもなかなか身につきません。
土台となる足元が安定してこそ、上半身もまっすぐ保ちやすくなるんですね。
●足台の代用、おすすめ品
足台は、最初から立派なものでなくても大丈夫です。
昔は分厚い電話帳や漫画本を重ねて代用することもありましたが、最近はそういうものもなかなか見かけなくなりましたね。(笑)
すのこを使った足台などでも十分ですし、身近にあるもので工夫していただければと思います。
ただ、お子さんの成長とともに必要な高さもどんどん変わっていくので、教室ではその都度、簡単に細かく調整できるレバー式の足台を使用しています。
ブログ2023年8月「補助足台を新調しました」👇️https://705pianoroom.com/diary/70788
身長140cmくらいまでは足台が必要かと思いますので、ぜひご検討くださいね。
次回③は、ピアノ調律について書いていく予定です。
練習環境を整える①〜湿度の話〜
梅雨に入り、湿度の高い日が続いていますね。
この時期、ピアノにとって一番気を遣うのが湿度管理です。木でできている楽器なので、湿気を吸うと鍵盤の動きが重くなったり、逆に乾燥すると音がぱさついたり…。
実は湿度の変化が大きいと、音の狂い(調律のズレ)にもつながりやすいんです。一年を通して湿度50〜60%くらいをキープできると理想的です。
まずは湿度計・温度計をひとつ置いてみるのがおすすめです。数字で見えるようになると、
「あ、今日は乾燥してるな」
「ちょっと湿気てるかも」
と気づきやすくなります。
難しいことをしなくても、まずは意識するだけで十分な一歩になります。
我が家では加湿器・空気清浄機としてVentaを使っていて(除湿は別の機械にお任せしています)、除湿機と交代するために掃除をしました。水を使う機械なので、水垢や汚れを取るために分解洗浄して、念入りに作業にしました!
Ventaの洗浄作業についてはこちらに書きました👇️
https://705pianoroom.com/diary/237140
湿度管理は地味に思われがちですが、ピアノの調子や音の安定に関わる大事なポイントです。除湿機・加湿器の種類やご家庭の環境によって合う方法はそれぞれだと思うので、無理のない範囲で取り入れてみてくださいね。もちろん換気だけで十分という環境の方もいらっしゃると思うので、そのあたりはご家庭の状況に合わせていただければと思います。
「練習環境を整える」シリーズ、次回②は椅子の高さと足台についてついて書いてみようと思います。
ブログ「練習環境を整える②〜椅子と足台〜」👇️https://705pianoroom.com/diary/237168
よい姿勢を作ることは音づくりや体への負担に関わる大事な要素なんです。
Venta(加湿器)を洗って、夏支度
少しずつ気温が上がってきて、我が家では加湿器から除湿機へバトンタッチの季節になりました。
というわけで、今回はレッスン室用とリビング用、2台のVentaをしっかり洗って収納した記録です。
まずは上部を開けて、中の羽根(ファン)を取り出します。ここにホコリが結構たまっていて、「お疲れさま〜」という気持ちで丁寧に洗います。
続いて下部のパーツ。ここは水を溜めて空気を通す要の部分で、ローラーディスクも含まれています。このローラーディスクには水垢がこびりつきやすく、何度も水を替えながら根気よく洗うので、正直一番時間がかかるところです。地味な作業ですが、ここをきれいにしておくと次のシーズンの気持ちよさが変わってくる気がします。
パーツを乾かしたら組み立て直し、専用クリーナーを入れて規定時間しっかり稼働させます。この時、少し薬品っぽいにおいがしたので、窓を開けて換気しながら稼働させるのがおすすめです。
最後にもう一度洗って、完全に乾かしてから収納。ここまでやると、なんだかひと仕事終えた達成感があります(笑)。
そういえば、以前品薄になっていたVenta専用のハイジェン液、最近再販されているのを見つけました。
またいつ手に入りにくくなるかわからないので、来シーズンの分も含めて多めに購入しておきました。同じくVentaをお使いの方は、この機会にチェックしてみてください。
道具のお手入れは地味な作業ですが、きれいにしてしまっておくと、次に使うときの気持ちよさが全然違います。季節の変わり目、みなさんのおうちの加湿器・除湿機事情はいかがですか。
ということで、ピアノのお手入れや設備など、「練習環境を整える」シリーズをスタートします。
①は湿度管理について、書いてみました。👇️
🎹 ピアノの「声」を整える、大切な時間 🎹
6〜8ヶ月に1回のペースで行っているピアノの調律。
今月は生徒さんの演奏録画や、私自身の本番も控えているため、このタイミングでお願いしました。
(蓋上のものをのけたり拭いたりするので、お片付けの日でもあります😅)
予定では2時間ほど時間を取っていたのですが、今回は調律のみで調整が整い、1時間半と少しで終了しました。
その分、作業後に伺ったお話がとても興味深く、プロの「音作り」の舞台裏に触れることができました✨
前2回はハンマーに針を通す「整音」を丁寧に行っていただきましたが、今回は調律だけでOK。試弾してみると、今の私にとって「ちょうど良い音色」に仕上がっており、そのまま仕上げていただきました。
そして、ここからがとても心に響いたお話です。
「昨日はホールでスタインウェイのフルコンを、今日はこのピアノ(ヤマハ C6L)を。この順番がとても良い流れだったんですよ」と調律師さん。
不思議に思ってお尋ねしたところ、調律師さんはその日向き合うピアノに合わせて、頭の中で鳴らす**「音のイメージ」**を緻密に組み立てているのだそうです。
💡 調律師さんの「集中力」と「イメージ」の作り方
フルコンの場合: オーケストラのような多層的な響きを作るため、移動中もオーケストラ曲を聴いて、脳内を「音色豊かな状態」にセットする。
我が家のヤマハ C6L: 6サイズ以上はフルコンに近い響きを引き出せるため、フルコンの翌日に作業することは、前日の最高のイメージを途切れさせず、高い集中力を維持したまま向き合えるベストな流れなのだとか。
逆に、明日は少しサイズの異なるC3の調律。
その際は、オーケストラではなく「ピアノ曲」を聴き、そのサイズに最適な響きのイメージを脳内に満たしてから臨むのだそうです。
「フルコン → C3 → C6」とサイズが前後するよりも、響きの近い「フルコン → C6 → C3」という順番の方が、音作りのイメージが散漫にならず、一貫して深い集中力で作業に没頭できると仰るのです。
一台一台の楽器、そして「音」に対して、これほどまでに心血を注いで向き合っておられる姿に、驚きと深い感動を覚えました。
調律前と後の音の変化を録画しましたので、インスタグラムに投稿しました。
よかったら聴いてみてくださいね。








