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ソルフェージュはやっぱり大切(ちょっと長文)
春休みを頂き、所用で実家に帰っています。
毎回、本棚から少しずつ必要な本や楽譜、
音源などを持ち帰ります。
久しぶりにこちらの本を読みました。
(長いこと放置しておりました😓」
子供たちに指導を始めてから買ったもので、
著者の呉暁先生の「リズムとソルフェージュ」
シリーズのテキストも活用しています。
今回読んでみて、改めてソルフェージュの重要性を感じました。
昨今のピアノ教室では、ソルフェージュをしない先生の方が
少ないと思います。
私も自分の教室の生徒さんたちには、
昔からソルフェージュを取り入れたレッスンをしています。
『私の教室の生徒さん』と言ったのは、
楽器店でお預かりした生徒さんたちには
申し訳ないのですが、
そこまでしっかりソルフェージュの時間がとれないので
曲をこなすだけ、のレッスンも正直ありました。
それでも、レッスン曲を題材にしたり
短時間でもリズムや譜読みの問題を一緒にしたり
していました。
音やリズムがわからない、
譜読みができない、
これでは鍵盤の位置はわかっても
弾くことはできません。
「弾けない」とつまらないし、
どう練習すればいいかわからないし、
譜読みでつまずけば、自分ではそれ以上
どうしようもないのです。
そしてなにも出来ないまま次のレッスン日になって
一向に進まない、という負のスパイラルが始まります。
楽しいはずの音楽が苦痛になってしまいますよね。。
そんな経験はしてほしくないです。
「ピアノが弾きたい!」
と思うなら、まずソルフェージュ、
と言ってもいいと思います。
一般の方には聞きなれない〈ソルフェージュ〉という言葉、
これはフランス語です。
音楽の基礎訓練のことなのですが、
訓練というと難しく感じてしまいますよね。
楽器を演奏するのに欠かせない楽譜、
それを読むために必要な要素を学ぶ、
ということになります。
音符、リズム、拍子、ハーモニー、強弱などの表現、
そのほかにも楽譜から読み取らなくてはならないことは
沢山あります。
楽器を演奏するための技術とは別に
音楽表現するための知識や感覚を養うものです。
これができると出来ないとでは、
演奏に大きな差が出てくると思います。
ピアノを例に挙げると
小さな子供にとってピアノはとっても大きくて
鍵盤を弾くのも、白黒な鍵を認識するのも
大変なことなのです。
ですので、幼児期ほど
ソルフェージュレッスンは向いています。
ピアノレッスンというと
鍵盤を押さえて音を出して
指を動かして連なる音を弾ければ良い
と思われるかもしれませんが、
そうするとあまり音楽的でない演奏になったり
機械的に弾くだけで楽しさを感じられなかったり、と
大事な部分が欠けてしまうのです。
ピアノに触れる前に、
(少しずつ触れながらでもいいけど、)
弾くよりもまず、音やリズムを体で感じて
それを声や音で発する、
それを繰り返すうちに音符が読めたり
聞いた音がわかったりしてきます。
それを段々とピアノでも表現できるようにしていく、
という順番を踏んでいくのです。
楽器演奏は言葉と同じだと考えています。
赤ちゃんが言葉を覚えて話せるようになり、
文字を読んだり書いたり作ったりできるようになる過程と同じです。
言葉と同じようにいつも音楽を聞いていたら
自然と吸収されて苦もなく表現できると思います。
音楽教室ではそれをより専門的、集中的に
機会を与えて、感覚を伸ばす、養う、
ということを、講師が手助けする
ということになるのだと思っています。
習い始めの頃は、
ピアノをスラスラ弾くことを思い描いて
すぐにピアノに向かいたくなるのですが、
私のレッスンでは弾く以外のことをしますので、
最初はちょっぴり我慢がいるかもしれません。
でも、毎回「お預け」にはしませんよ。
「弾きたい」気持ちも大切にして
鍵盤を通して楽しむ時間ももちろん、あります。
ソルフェージュの内容も、
生徒さんの「今日はこれがしたい」
の意思を尊重します。
そのためのネタ(教材)もだいぶ増えました。🤗
毎週コツコツの積み重ねが大切ですね。
私のモチベーションもしっかり上がりましたので
お休み明けのレッスンが待ち遠しい日々です。🌸
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春休みのお知らせ
3/29~4/6 お休みを頂きます。
レッスンは4/7から、
体験レッスンは4/12から受付いたします。
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2022.3.20 演奏会終了しました (大和市)
2022年3月20日(日)
大和市音楽家協会主催
音楽で巡る世界の旅路
第5回 フランス・イギリスを訪ねて🇫🇷🇬🇧
お陰をもちまして公演を終えることが出来ました。
ご来場の皆様、そしてご声援くださった方々、
ありがとうございました😭
今回は憧れの曲
ショパン 舟歌 作品60
を演奏させて頂きました。
沢山のお客様の温かいご声援を感じながら
大好きな作品を演奏することができて
大変幸せでした。
このコンサート出演を決めて
曲を決定したのは約1年前、
そこから1歩ずつこの日に向かって
進んできました。
初戦としてはまずまずの出来、
これからも弾き続け、改良を重ねて
理想形に近づけたいと思います。
また、お聴き頂ける機会があると嬉しいです。
↑出演者の皆様と記念撮影
そして、今回シリーズ全5回が終了しました。
7月から世界各地を音楽で巡ったコンサート。
プログラムを旅行冊子のように作成したり、
背景に画像を映し出したり、
民族衣装で演奏したり、と
各回趣向を凝らし
目でも楽しんで頂けたのではないかと思います。
これらの企画や配布物作成、
司会や舞台係、受付など全て
スタッフも同じ会員で運営しています。
前回は出演者だった方が
今回はステージマネージャや司会をしたり、
プロジェクター操作したり、
なんでもできる演奏集団です。
みなさん、すごい!
このような素晴らしい方々のお陰で
このような素晴らしい演奏の機会を頂き
いつも本当に有り難く思います。
来年度も色々な企画を計画中です。
ぜひ、大和市音楽家協会主催のコンサートに
いらしてください♫
またご案内いたしますね。
最後に、今回の演奏動画を
短縮版でアップしてみましたので
よかったらお聴きください。
JUGEMテーマ:演奏会
牛田智大さんのリサイタルに行きました(長文です。。)
2022年3月5日、牛田智大(うしだともはる)さんの
ピアノリサイタルに行ってきました。
感動と興奮冷めやらぬうちに、と思っていましたが
なんやかんやで10日以上も経ってしまいました。。
直後に書き留めたメモを参考に、あらためて書いています。
さすがの牛田さん、ほぼ満席でした。
どこからこんなに海老名に来るんだろ、というくらい。
こんなにもピアノ好き、クラシック好き、
そして牛田さんファンがいらっしゃるのですね!
さて、私ごときが語るものではないのですが、
記録として書こうと思います。
今回はオールショパンプログラム。
1曲目、ノクターンOp27-2から。
椅子に座って演奏を始めるモーションに入るも、
手を止めて手首のあたりを動かすというか
一度仕切り直して演奏スタートされました。
な~~~んとなめらかな音の運びなのでしょう・・・。
たっぷり歌われ、もちろんくどくもないしもたつきもしない。
なんて自然な流れなのでしょう~。
多彩な音色はもちろんのこと、pppからffまでの段階が見事です。
何重にも音量段階の層があって、どうやってその音作ってんの~!!
と聞きたい。。
そしてこれは私のホントに主観的な感想ですが、
1曲ごとのダイナミクスではなく、
プログラム全体を通して音量の幅を計算したのか?と思わせました。
それは、最終曲の「幻想ポロネーズ」でこれまでにない
ホールに鳴り響く ff (最強音)を感じました。
ほかの曲にも f や ff はあるんです。
後ろのお客様もちょっと休憩時間におっしゃってたけど、
(聞き耳たてました)
「ショパンだって怒ることやカチンとくることあるでしょ」
・・・前後の内容を踏まえて説明しますと、
たいてい盛り上がってガツンと来そうな音が
そうではなくて柔らかかったり、大きくない(と感じる)音だったので
ちょっと物足りなさを感じた
・・・というような話でした。
おっしゃることもわかるのですが、
そういうショパンじゃないんだな~、
きっと、牛田さんのショパンは。
その曲の内容や表現にあった音を出されている、
というのがしっかり伝わったので、(私はね)
この表現なのね、と納得。
ホールとピアノとの関係も大いにありますが、
私もここのホールは、ちょっと音がこちらに届きにくいのかな?
と感じてしまいます。
ただ、大ホールなのでそんなもんかな、とも。
しかし、それを覆したのが、最後の「幻ポロ」でした。
「こんなにこのピアノ、音でるじゃん」
こちらの耳が2時間かけて慣れてきたのかもだし、
ピアノも2時間かけて変化しますし。
それをすべてわかっての奏者のコントロールだと思いました。
前半後半ともに、曲間は立たず、拍手も入らず
全部演奏されました。
前半1曲目ノクターン以外です。
1曲目6~7分くらいのノクターンを弾き終えたところで
一旦退場されました。
「あれ?ここで退場なのか。
ということは、ほかの曲も結構頻繁に入退場するのかな?」
そういう思いは浅はかでした。
この1曲目の後の退場について
牛田さんがインスタライブでおっしゃってたのは、
「開場時間に遅れてこられるお客様もいるので、
(弾き続けるとずっと入れないから)
1曲の後は引っ込むことにしている」
な、なんと、私たち来場者のことを考えての
行動だったのだと知りました。
なんて、神!✨
その後を退場なしで弾くスタイルだからなおさらなんですね。
そして、鳴りやまぬ拍手👏👏に応えて演奏されたのが、
ショパンピアノソナタ第2番の第3楽章〈葬送〉
「こ、これアンコールで弾くの?!」
とちょっと驚きました。
そのまま4楽章も弾いてほしい!ってくらい
やめてほしくなかったです。
そのあとマイクを取っての御挨拶。
その中で、今回のプログラム構成についても言及。
アンコールの〈葬送〉までで完結する、という内容でした。
な・な・なるほど!
だからこの選曲よねっ♪
と腑に落ちたのでした。
「生」と「死」のはなし。
〈葬送〉はB(シの♭)とDes(レの♭)の2音を
行き交うのですが、
これには B=Birth、 D=Death
という意味合いがあって、
最後の音はBなのです。
曲は主調のB♭短調で暗く終わるのですが、
込められたメッセージとしては
Bの【Birth】を選んだ、ということになるそうです。
ほ~~、知らんかった。。。
そして昨今の世界情勢もあり、
牛田さんにとってもこのデビュー10周年の公演プログラムには
深い思い入れがあるのだと知りました。
そのあと3曲もアンコール再び。
リストの「愛の夢第3番」
シューマン=リスト「献呈」
シューマン「トロイメライ」
どれも平和への祈りを感じさせる選曲と感じました。
今回のこのプログラム内の曲が
私にとってはどれも興味深い曲で、
「マイブーム」というのか、、。
ちょっと言葉が見当たらないのですが、、。
〈舟歌〉を近々演奏会で弾くので、
それもあって今回のリサイタルは行きたかったのですが、
勉強している間にこれまで遠ざけていた〈幻想ポロネーズ〉にも
最近興味が湧いてきたし、
結構長くぼちぼち練習している〈幻想曲〉も、
最近始めた〈ノクターンOp.27-2〉や(これもあまり好きではなかった)
はるか昔のコンクールで苦戦したマズルカなど、
とても身近に感じる作品ばかりで、
1mmでもいいから願わくば牛田さんの演奏に近づけたら、
という思いで必死に耳をダンボ👂🐘👂
にして聞き入りました。
惜しくも2次予選までの出場となったショパンコンクール2020、
YouTubeでしか聞けませんが、
その時とは違う、さらに磨きがかかった牛田さんのショパンは
ほんとうに素晴らしかったです。
そしてやはり、生音にかぎる!!
1音1音が鮮明でありながら、
旋律として連なったとき、
和音としてまとまったとき、
旋律と伴奏、または複声部で多重になったときでも
音はぼやけないのに決してぶつかり合わず、
溶け合っているのです。
とにかく、すべて考えられてコントロールして
作り出されたものであるのは間違いないことだけど、
それがわざとらしさのかけらもなく、
ショパン作品に向き合って芯を深く掴んだ演奏、
と感じました。
あ、牛田さんンのインスタライブも必見です。
有料級に素敵なお話と演奏が聴けます。
ファンにとっては嬉しい限りですね。
これからも牛田智大さんの演奏会に
足を運びたいと思います。
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